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所信表明(令和2年 山梨市議会9月定例会)

ページID:0002097 更新日:2020年9月1日更新 印刷ページ表示

令和2年9月定例会を招集いたしましたところ、議員各位のご出席を賜り、議案の審議をしていただきますことに対しまして、厚く感謝申し上げる次第であります。
提出案件の説明に先立ち、私の山梨市政に対する所信の一端を申し述べ、議員各位、並びに市民の皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げます。
令和2年度も半分が過ぎようとしているところでありますが、依然として、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が止まらない状況の中、本市でも、市民の感染症防止対策や低迷する本市経済の再生に向けた取組みを最優先として、必要な施策を進めているところであります。
今後も、今年度、予定しております事業の一部見直しを行いながら、感染拡大防止と地域経済の再生に努めてまいりたいと考えております。
改めて、市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

さて、今年度の前半を振り返ってみますと、今年は例年にない長い梅雨となり、鬱陶しい日々が続く中、梅雨の後半には、局地的なゲリラ豪雨により、牧丘・三富地域では土砂崩落なども発生いたしました。
現在、仮復旧の状態となっております被災現場につきましては、国県への災害対応を申請しながら、できるだけ早く復旧してまいります。
また、長雨の影響は桃、ぶどうの収穫にも及び、病害による収量減が心配されるところであり、これらにつきましても、状況に注視しつつ、対策を検討してまいりたいと考えております。

平年より11日遅い8月1日の梅雨明けとともに、気温が40度近くまで上がる酷暑に見舞われ、マスクが手放せない新たな日常の中、コロナウイルス感染症と熱中症、二つの対策を余儀なくされているところであります。
なお、熱中症に関しましては、7月1日から暑さ指数に基づいた新たな情報発信であります「熱中症警戒アラート」が関東甲信地方で先行実施されております。
暑さ指数は、気温、湿度、輻射熱の3要素を取り入れた、暑さの厳しさを示す指標で、33度を超えた場合にこの警戒アラートが発表されるもので、令和3年度からは全国展開が予定されております。
市では、警戒アラートが発表された場合、防災無線とツイッターで市民への注意喚起を行なっております。
市民の皆様には、ご自身の安全を最優先にお考えいただき、何卒、ご自愛をされますようお願い申し上げます。

次に、新型コロナウイルス感染症についてであります。
本市におきましては、これまで、感染予防対策として、チラシ、広報やまなし、CATV、市ホームページを活用した広報、相談窓口の設置、マスクの配布や災害用備蓄品の購入、生活支援、事業者支援など、27の独自支援を講じてまいりました。
しかしながら、5月25日に特措法に基づく緊急事態宣言が解除となり、経済再生への機運が高まる中で人の動きも活発化し、7月以降、全国的に感染者が急増し始め、現状では、連日、千人前後の新規感染者数が報道されております。
本県におきましても、感染拡大は止まらず、5月以降感染者が出ていなかった本市でも、8月12日に新たな感染者が確認されたところであり、感染拡大防止の啓発と対策に努めながら、厳しい経済状況にも対応していかなければならないと考えております。

これまでも、国の支援対策を踏まえ、本市の独自支援策を展開してまいりましたが、今定例会におきましても、必要な対策を見極めつつ、新たな支援策に関する補正予算を上程するものであります。

具体的に申し上げますと、国の支援といたしまして、

  • コロナ禍における小中学校の学びの環境を整え、保障するため、ICT化を行うGIGAスクール構想に基づく整備事業
  • 人的体制の整備として、学習支援員等の追加配置事業
  • 学校内の感染拡大防止のための学校保健特別対策事業
  • 感染症緊急包括支援交付金事業として、保育園、児童センター等の運営や、検診、乳幼児全戸訪問事業における衛生用品や備品の整備事業

に係わる経費であります。

市独自の支援といたしましては、まず、「新生児育み給付金給付事業」であります。
国の支援である10万円の「特別定額給付金」の対象外となりました、令和2年4月28日から令和3年4月1日までに生まれ、市に住民登録された新生児に10万円を給付し、保護者の経済的負担の軽減を図ってまいります。

次に、医療機関支援金交付事業であります。
新型コロナウイルス感染症発生以来、自らの感染リスクと隣り合わせの状況下で診療を行っている、市内の医療機関に支援金を交付し、地域医療を確保し、市民の安全と健康を守ってまいります。
なお、財源の一部としまして、ふるさと納税のクラウドファンディングにより寄付金を募ってまいります。

次に、GIGAスクール構想に基づく1人1台端末整備事業であります。
国では、3人に2台分の端末を補助対象としているため、残りの1台分の端末を市の単独事業として整備するものであります。

新型コロナウイルス感染症につきましては、いまだ収束が見えない状況でありますので、今後も感染状況等に注視し、必要な支援を講じてまいりますので、議員各位、並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

次に、国政についてであります。
国は、7月17日に、2020年の「経済財政運営と改革の基本方針」いわゆる「骨太の方針」を閣議決定いたしました。
今回の骨太の方針では、新型コロナウイルス感染症への対応に重点を置いた、各分野にわたる政策を打ち出しております。
第1章は、感染症の下での危機克服と新しい未来に向けた取組みであります。
日本の経済は、感染症拡大の影響により、極めて厳しい状況であると同時に、行政分野におけるデジタル化、オンライン化の遅れ、非正規雇用者や、中小・小規模事業者等の苦境などの課題への取り組みの遅れが浮き彫りになったとし、これらの問題や課題を解決し、ポストコロナ時代の新しい未来を築き、“「新たな日常」を通じた「質」の高い経済社会の実現”を目指すとしています。
第2章は、国民の生命・生活・雇用・事業を守りぬく取組みづくりであります。
感染症拡大への対応とともに、経済活動を段階的に引上げる「ウィズコロナ」の経済戦略として、「医療提供体制の強化」「雇用維持と生活の下支え」「事業継続と金融システムの安定維持」「消費など国内需要への喚起」の4つの戦略を進めるとともに、激甚化、頻発化する災害への対応として防災・減災・国土強靭化にも取り組んでいくとしています。
第3章は、「新たな日常」の実現であります。
ポストコロナ時代を見据えて、デジタル化への集中投資・実装とその環境整備、東京一極集中型から多核連携型の国づくりと地域の躍動につながる産業・社会の活性化、社会変革の推進力となる人材の育成と無形資産への投資、国民が誰も取り残されない包摂的な社会の実現、新たな世界秩序の下での活力ある日本経済の実現の5つの変革を一気に進め、「新たな日常」の実現を目指すとしています。
また、感染症拡大を踏まえた当面の経済財政運営と経済・財政一体改革については、休業者や離職者をはじめ国民の雇用を守り抜くことを最優先とし、決してデフレに戻さない決意をもって経済財政運営を行なうとしております。
本市におきましても、この骨太の方針に基づき、市の現状を踏まえた「令和3年度行政経営の基本的な考え方」をまとめ、各課長宛てに示したところであり、今後、主要事業の決定、予算編成作業を行いながら、来年度の方向性を決定してまいります。

次に、最近の本市に関係する取り組み等についてであります。

まず、観光農業についてであります。
今回のコロナ禍により、全国的な外出自粛ムードの中で、ぶどうや桃狩りなどの観光農業も大きな痛手を受けております。
そのため、本市では、市観光協会やJAと連携した「おうちで山梨市」という取組みを進めております。
これは、インターネットを活用して、自宅で山梨市の特産果物狩りが楽しめるような工夫を凝らした動画を配信し、当選した応募者に果物をプレゼントする企画で、5月に「おうちでさくらんぼ狩り」、8月に「おうちで桃狩り」を実施し、9月には「おうちでぶどう狩り」を行う予定であります。
この取組みを通して、「コロナが収まったら、ぜひ山梨市で果物狩りをしたい」といった温かいコメントもいただいております。
今後も、SNS等を活用して「旬の山梨市」を全国の皆様に感じていただけるような取組みを展開し、アフターコロナに向けた積極的な観光PRに努めてまいります。

次に、ふるさと納税についてであります。
今年度は、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う市場変化などによる寄付額への影響が心配されておりましたが、8月16日時点のふるさと納税寄付額は、すでに昨年度末の7億3,613万円を上回る9億円余となっております。
これは、本市の地場産品であるモモ・ブドウなどのフルーツが、返礼品として非常に好評であることが要因であると考えております。
その中でも、シャインマスカットは、ふるさと納税ポータルサイト「さとふる」において14万8千件余りの返礼品の中で、全国返礼品人気ランキングが、6月、7月の2ヶ月間に渡り首位となるなど、寄付額を大きく牽引するとともに、フルーツの産地としてのPRにも寄与しているところであります。
今後も、本市の魅力を積極的に発信するとともに、この納税制度を活用し、自主財源の確保に努めてまいります。

次に、ベートーヴェンコンサートの開催についてであります。
山梨大学との連携事業として、9月27日に花かげホールにおいて、ベートーヴェンコンサートを開催いたします。
このコンサートでは、生誕250年を迎えるベートーヴェンの作品を山梨県に縁のある歌手やピアニスト4人を迎え、芸術性に富んだ素晴らしい歌声とピアノの音色を披露していただきます。
なお、今回のコンサートは、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から無観客で開催し、後日、CATVによる放送と動画配信を行い、開催の模様を市民の皆様にお届けしたいと考えております。
このコンサートを通じて、芸術文化の振興を図るとともに、東京オリンピック・パラリンピックのホストタウンでもあるドイツの文化に親しむことも期待し、開催するものであります。

暦の上では秋となっておりますが、まだまだ厳しい残暑が続き、新型コロナウイルス感染症にも十分注意が必要であります。
議員各位、並びに市民の皆様には体調に十分留意され、市政推進にご協力いただきたいと存じます。

次に、当面する主要課題等について説明させていただきます。

まず、防災訓練についてであります。
市では、例年、8月30日から9月5日までの防災週間中に、各自主防災組織による防災訓練の実施促進を図るとともに、重点地区での避難所開設・運営訓練を実施してまいりました。
今年度は、加納岩地区を重点地区と定め、9月1日に訓練を実施する予定であります。
内容につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、規模を縮小し山梨市民会館において、「新型コロナウイルス感染症に対応した避難所運営に係る講習会」を行うことといたしました。

次に、災害協定についてであります。
万力地内に9月4日オープンいたしますコメリと、前日の3日に「災害時における物資供給に関する協定」を締結する予定となっております。
この協定は、災害発生時の作業に必要となるシート・ロープなどの物資や、毛布・タオルなどの日用品のほか、飲料水、電気用品などコメリが取り扱っている様々な商品を、山梨市に優先的に供給していただく内容となっております。

次に、令和2年国勢調査についてであります。
本年は、5年に一度の国勢調査の実施年であります。
国勢調査は、国内に住んでいる全ての人と世帯を対象に、全国一斉に行われる、統計法に基づいた、最も重要な基幹統計調査であります。
国勢調査の調査結果は、国や地方自治体の様々な施策の基礎資料となるほか、民間においても活用され、国民生活に広く役立てられております。
現在、本市におきましても、調査の実施に向け準備を進めているところでありますが、本年に限っては、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策に配慮し、調査員と世帯が直接対面しない非接触の調査方法、インターネット回答、郵送回答を推進することとしております。
特に、インターネット回答につきましては、感染症の拡大防止、調査員の負担軽減につながりますので、積極的に推進してまいりたいと考えております。
市民の皆様、並びに調査員の健康を守る環境、体制を整備する中で、調査を行ってまいりますので、ご理解とご協力をお願いいたします。

次に、山梨市都市計画マスタープランについてであります。
本計画は、平成19年度の策定から10年以上が経過し、この間の急激な人口減少、少子高齢化など社会情勢の大きな変化や、新たに策定された「第2次山梨市まちづくり総合計画」「山梨市総合戦略」「立地適正化計画」など各種計画との整合性を図るため、平成30年度から見直し作業を進めてまいりました。
市民の代表者や学識経験者等で構成された検討委員会で練り上げた新たな計画の素案を、都市計画審議会においてご審議いただき、去る8月21日に答申をいただき、9月1日に公表する運びとなりました。
今後は、新たな計画を踏まえ、本市の将来像である「活力と文化を育む樹園共生都市 山梨市」の実現に向け、誰もが安心していつまでも暮らせる、持続可能なまちづくりを目指し、私が掲げる7つの政策ビジョンと併せて各施策を推進してまいりますので、より一層のご理解ご協力をお願いいたします。

次に、南反保地域整備事業についてであります。
去る5月27日、(仮称)南反保地域まちづくりの会から、「(仮称)南反保地域の整備に係る要望書」が提出され、具体的な整備手法も合わせた整備構想案を示してもらいたい旨の申し入れがありました。
市では、この要望を受け、都市計画マスタープランや立地適正化計画に基づき、土地利用や幹線道路整備等の方針をまとめて、9月末を目途に、構想案をまちづくりの会に提示する予定であります。
今後、まちづくりの会では、この構想案を基に、本地域のまちづくりを進めて行く予定であり、市といたしましても、地域住民の皆さんの声を聴きながら、協働によるまちづくりを推進してまいります。

次に、ブロック塀等の除去・改修補助制度の拡充についてであります。
平成30年6月に発生した大阪北部地震では、ブロック塀が倒壊し2名が犠牲になるなど重大な被害が発生しました。
これを受け、本市では、市単独の補助事業である住宅リフォーム補助金制度において、ブロック塀等の改修を対象に加え、10万円を限度に補助してまいりました。
このたび、この制度に加え、社会資本整備総合交付金が活用できる、ブロック塀等の耐震対策に係る補助制度を拡充することといたしました。
この補助制度は、震災の発生に備え、地域防災計画に定められる緊急輸送道路と、そこから指定避難所に至る経路及び通学路の安全や通行を確保するため、それら路線に面する個人所有の住宅に付属する、高さ1m以上のブロック塀等の撤去・改修工事を補助するものであります。
補助額は、工事に関する経費の3分の2、補助限度額は20万円です。
本補助制度の拡充に先立ち、現在、緊急輸送道路沿い等に存在するブロック塀等の実態調査を行っており、その調査結果に基づき、危険性のあるブロック塀等の所有者には、直接、本制度を周知するとともに、市民の皆様にも市ホームページや広報でお知らせし、耐震対策を促してまいります。

次に、下水道事業審議会の設置についてであります。
本市下水道事業におきましては、一般会計からの基準外繰入金の是正や、経年劣化等により将来必要となる多額の管理経費等に係る財源確保が重要な課題となっております。
また、今後も長期にわたる整備や改修等が必要となるため、積極的な経費縮減と下水道への加入促進等による財政健全化と併せ、受益者負担に則した使用料設定を行うことが、必要不可欠であると考えております。
下水道使用料につきましては、平成23年度から3年おきに審議会が開催され、平成29年度の審議会では、1点目に「一般会計からの基準外繰入の抑制と、受益者負担の原則に基づき、下水道事業会計の独立性を高めることが重要である」こと、2点目に、「市の経営計画の目標年次である令和3年度、及び、経営計画を継承する経営戦略により、令和6年度に見直しを行うことを基本とする」旨の答申がなされております。
これを受け、去る7月31日に新たに設置いたしました審議会では、平成29年度に策定された、山梨市下水道事業経営戦略に基づく取組の進捗状況等を検証する中で、令和3年度以降の下水道料金の見直しについて諮問を行い、5回程度の審議を経て、10月中旬頃に答申をいただく予定であり、12月定例会に使用料改定関係議案を提出したいと考えております。

次に、市内小中学校の現状と今後についてであります。
市内の小中学校では、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、臨時休業措置を行ったことにより、1学期は6月1日から7月31日までの2カ月となりました。
この間、感染者を出すこともなく、休業の影響を取り戻すための山梨市版教育課程も予定どおり進み、8月1日から夏休みに入ったところであります。
今年の夏休みは、2週間という短い期間でありましたが、自宅や近い場所で家族と有意義な時間を過ごした子どもたちが多かったようであります。
連日、山梨県内に熱中症警戒アラートが発表される猛暑の中、8月17日から2学期がスタートいたしました。
この夏は、コロナ対策と併せて熱中症対策にも万全を期し、メール等で保護者への注意喚起を行い、下校時に暑さ指数(WBGT)が31度以上の場合は、学校に留め置く措置をとることといたしました。
また、全ての児童生徒にネッククーラーを配布し、登下校時はもとより授業中も使用し、安全に学校生活が送れるよう努めているところであります。
2学期は、1学期に実施できなかった修学旅行や自然教室、また、例年実施する運動会・学園祭など、児童生徒にとって心に残る行事が予定されております。
修学旅行は、目的地を変更したり、運動会・学園祭は、規模を縮小したりするなど、これまでとは異なった実施計画としておりますが、保護者の皆様のご理解を得るなか準備を進めているところであります。

次に、市制祭の開催についてであります。
本年度は、新市誕生から15年という節目にあたりますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、規模を縮小し10月15日に開催することといたしました。
市制祭は、市政の発展にご貢献いただいた皆様に、感謝の意を表する重要な機会でありますので、検温、の消毒、マスク着用などの感染予防対策を徹底し、安心してご出席いただける環境を整え開催してまいります。
議員各位並びに市民の皆様には、ご理解とご協力をお願いいたします。

次に、今回提案している令和元年度各会計決算のうち、一般会計の決算状況についてであります。
歳入総額は205億369万円余で、前年度比0.9%の減、歳出総額は196億7,214万円余で、0.5%の増となり、翌年度への繰越財源を控除した実質収支額となる令和2年度への繰越金は、7億957万円となっております。

歳入につきましては自主財源である市税において、入湯税が減額となりましたが、その他の税目がすべて増額となったことにより、全体で2.2%の増額となりました。
依存財源のうち、地方交付税は、普通交付税、特別交付税のいずれも減額となったことにより、全体で0.7%の減額となりました。
地方税等は、森林環境税の創設や幼児教育・保育無償化に伴う子ども・子育て支援臨時交付金の措置などにより、全体で3.7%の増額となりました。
国庫支出金は、歳出の経費のうち、補助事業分が増額となったことに伴い「社会資本整備総合交付金」が増額となったことなどにより、9.8%の増額となり、県支出金は、「介護基盤整備等事業費補助金」などの減額により、9.7%の減額となりました。
また、地方債は、歳出の投資的経費が減額になったことと、臨時財政対策の借入額が減額となったことで、23.3%の大幅な減額となりました。

次に、歳出の性質別経費の内容であります。
義務的経費のうち、公債費は債による償還額が減額になったものの、人件費及び扶助費が増額となったことにより、0.8%の増額となりました。
投資的経費は、社会資本整備総合交付金対象事業費が増額したものの、市民総合体育館の改修整備事業、環境センターストックヤード関連整備事業などの市単独事業費や県営事業負担金などが減額となったことにより、全体で13.9%の減額となりました。
その他の経費は、ふるさと輝き基金積立金の増額のほか、企業立地促進事業助成金や甲府・峡東地域ごみ処理施設事務組合への負担金の増額などにより、全体で8.7%の増額となりました。

次に、財政の健全性を示す財政指標についてであります。
実質収支比率は7.05%、公債費比率は9.0%、公債費負担比率は17.2%であり、概ね良好であると考えておりますが、地方財政措置の割合が高い「旧合併特例事業債」の借入がなくなり、地方債の発行に関しては、より厳選した借入を行うことが求められております。決算数値の中で財政構造の弾力性を判断するための指標として用いられる「経常収支比率」は、前年度より0.6ポイント高い91.3%と、市制施行以来、最大値となっております。
これは、扶助費などの義務的経費の増額や歳出構造の変化、経常一般財源となる「普通交付税」の合併による縮減など、財政運営を行う上で、硬直化が懸念されております。
このため、経常経費の縮減対策と、経常一般財源の確保対策について、強力に推進する必要があると考えております。
基金残高は財政調整基金、市債管理基金とも取崩しを行うことなく利子分を積み立てることができたため、それぞれ27億6,770万円余、8億396万円余となっております。
その他の特定目的基金は、ふるさと納税を原資とした「ふるさと輝き基金」に積み立てをしたことから、9つの基金の合計額が24億8,271万円余となり、その結果、基金総額は60億円を超える保有額となりました。
また、地方債残高につきましては、若干ではありますが、償還額が発行額を上回ったため、前年度より1億860万円余少ない、254億1,200万円余となっております。

次に、財政健全化法に係る指標についてであります。
まず、実質赤字比率、連結実質赤字比率についてでありますが、一般会計、特別会計とも実質収支額は黒字であり、また、水道事業会計等の企業会計においても資金不足額はありませんでした。
実質公債費比率は、前年度と同じ、11.0%となっております。
将来負担比率は、地方債現在高の減少と、公営企業債等繰入見込額等の減少、及び充当可能基金などの増加により、前年度より1.3ポイント改善し、117.1%となりました。
令和元年度決算における財政健全化判断比率は、すべてが基準をクリアしており、健全性が保たれていると考えております。
今後は、扶助費をはじめとする社会保障費の増大との償還金の増加など、財政状況を圧迫するさまざまな要因が想定されます。
財政指標に注視しながら「中期財政見通し」に基づき、限られた財源の中で「第2次山梨市まちづくり総合計画」や「第2期山梨市総合戦略」の取り組みを進めるとともに、「第4次山梨市行財政改革大綱」を意識した効率的で効果的な行財政運営を強化する必要があると考えております。

次に、来年度の主要施策についてであります。
市政推進に当たりましては、新型コロナウイルス感染症対策や国の政策に基づく「新たな日常」の実現に向けた取組みなど、本市を取り巻く様々な情勢を的確に捉え、現状を十分に把握した上で、攻めの行政運営と健全な財政運営のバランスを保ちながら、各種施策を展開することが肝要であると考えております。
さらに、「市民の視点に立ったまちづくり」を念頭に、市民の満足度を向上させる施策展開を心がけ、時代のと住民ニーズを的確に把握し、「自助・互助・共助・公助」の精神を組み合わせた“協働のまちづくり”を推進するとともに、公平・公正な行財政運営を基本としていく必要があります。
このため、本市では地域経営の根幹であり、市民と行政が一体となってまちづくりを行うための指針である本市の最上位計画「まちづくり総合計画」の策定を、地方自治法の一部改正以後も条例により定め、これをもって本市の向かうべき道標としているところであります。
また、令和2年3月には、「まち・ひと・しごと創生法」に基づき策定した地方版総合戦略「(第1期)山梨市総合戦略」を検証した上で、「第2期山梨市総合戦略」を策定し、人口減少社会への対策と地域の活性化について、Society5.0、SDGs、関係人口、民間との協働、地域経営の視点等の「新たな視点」を盛り込んだところであります。
併せて、私が掲げる市政運営方針“7つのビジョン”により、市政運営の取り組むべき方向性を示し、オール山梨市として本市の発展に向けて取り組むこととしております。
令和3年度の具体的な重点事業につきましては、既存事業の評価を踏まえた事業選択を行い、新たな課題、ニーズに対応した新規事業なども検討、精査し、10月末をめどに決定してまいりたいと考えております。

次に、今議会に提案しようとする議案は、条例関係3件、予算関係2件、決算関係12件、その他5件及び報告3件の計25件であります。

議案第66号は、「山梨市手数料条例の一部を改正する条例について」であります。
情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律」が施行され、個人番号の「通知カード」が廃止されたことから、「通知カードの再交付手数料」に関する規定を削除するため、条例の一部を改正しようとするものであります。

議案第67号は、「山梨市立牧丘病院設置及び管理条例の一部を改正する条例について」であります。
市立牧丘病院の診療科名の表示を「外科、整形外科、内科、小児科」の4診療科名から「内科、小児科」の2診療科名に変更するため、条例の一部を改正しようとするものであります。

議案第68号は、「山梨市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例について」であります。
「家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準の一部を改正する省令」が施行されたことに伴い、小規模保育事業A型、小規模保育事業B型及び事業所内保育事業における設備基準並びに職員配置等について、当該省令に準ずる規定に改めるため、条例の一部を改正しようとするものであります。

議案第69号は、「令和2年度山梨市一般会計補正予算(第4号)」であります。
歳入歳出予算にそれぞれ11億3,208万3千円を追加し、総額237億3,423万7千円にするものであります。
これは、人事異動等に伴う職員給与費や、追加のコロナ対策関連事業、及び事業の見直しなどによる補正予算で、主なものを申し上げますと、追加のコロナ対策関連事業として、新生児育み特別給付金事業2,013万円余、医療機関への支援のための交付金事業1,910万円、小中学校への教育支援体制を整備するため、学習支援員やスクールサポートスタッフを配置する事業4,532万円余、GIGAスクール構想に基づく機器の整備とサポーターの雇用事業として1億4,665万円余などであります。
その他事業の追加としましては、畑地帯総合整備事業のうち、山梨市第二地区の事業採択に向けた概要書の作成業務487万円、7月の豪雨による農業施設及び土木施設の災害復旧費として3,345万円などであります。
事業費の見直しとしましては、今年度のふるさと納税寄附額が増額見込みとなることから、「ふるさと輝き基金積立事業」の追加 5億3,617万円余、及び「ふるさと納税事業」の追加 2億6,678万円余、などであります。
なお、国の第1次、第2次補正予算において本市への交付限度額が示されました「新型コロナウイルス感染症対応 地方創生臨時交付金」につきましては、交付限度額の全額となる6億9,180万円余の歳入を見込んでおります。
これにより、一般会計補正予算第1号から第3号において、コロナ対策関連経費の不足する財源として活用してまいりました「財政調整基金」に関しましては、その全額を基金へ積み戻すこととしております。
また、県内でも感染者が急増している状況を踏まえ、第2波、第3波への感染防止策や不測の事態への対応等を鑑み、新型コロナウイルス感染症対策分といたしまして、予備費を5千万円追加し、迅速に対応する考えであります。

議案第70号は、「令和2年度山梨市介護保険特別会計補正予算(第1号)」であります。
歳入歳出予算にそれぞれ523万4千円を追加し、総額42億3,517万1千円にするものであります。
これは、人事異動等に伴う職員給与費などによる補正予算であります。

議案第71号は、「笛吹市の公の施設を利用することに関する協議について」であります。
笛吹市の公共下水道を本市の住民の利用に供するための協議について、地方自治法第244条の3第3項の規定により、議会の議決を求めるものであります。

議案第72号から議案第75号までは、「訴えの提起について」であります。
市営住宅の賃料及び損害賠償の請求等の訴えを提起したいので、地方自治法第96条第1項第12号の規定により、議会の議決を求めるものであります。

議案第76号から議案第87号までは、令和元年度「山梨市一般会計」、及び「各特別会計」歳入歳出決算、並びに「公営企業会計決算」、それぞれについて、認定をいただこうとするものであります。

報告第8号は、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」第3条第1項、及び同法第22条第1項の規定により、監査委員の意見を付し、「令和元年度山梨市財政健全化判断比率」の報告をするものであります。

報告第9号は、「地方自治法施行令」第145条第2項の規定により、「令和元年度山梨市簡易水道事業特別会計 継続費精算報告」をするものであります。

報告第10号は、「地方公営企業法施行令」第18条の2第2項の規定により、「令和元年度山梨市水道事業会計継続費精算報告」をするものであります。

なお、最終日に「農業委員会委員の任命について同意を求める件」を、追加提案させていただく予定でありますので、よろしくお願いいたします。

以上、提出案件の概要と所信の一端を申し上げましたが、よろしくご審議を賜り、ご議決いただきますようお願い申し上げ、提案理由の説明とさせていただきます。