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『甲武信』ユネスコエコパーク登録決定しました

ページID:0001081 更新日:2023年12月11日更新 印刷ページ表示

「甲武信」ユネスコエコパークに登録決定

鶏冠山からみた甲武信ヶ岳
2019年(令和元年)6月19日、フランス・パリで開催された「第31回人間と生物圏計画国際調整理事会」において審議が行われ、山梨県及び関係自治体が申請、国が推薦していた「甲武信」がユネスコエコパークに登録することが決定しました。

登録により、環境保全に向けた国際協力や知名度向上による観光振興などの効果が期待されます。

名称、構成地域

「甲武信」は、地質や岩石の種類の豊富さが植物だけでなく、生息する動物の多様性を高めており、特にチョウ類は希少種の宝庫となっています。
NPO法人が中心となり地方自治体が大学と協同して展開する多摩川源流大学をはじめ、数々の民間団体が地域住民主導のもとに活動していいます。

名称

甲武信生物圏保存地域(甲武信ユネスコエコパーク)

構成地域

甲武信ユネスコエコパーク会見
4県12市町村

埼玉県(秩父市、小鹿野町)
東京都(奥多摩町)
山梨県(甲府市、山梨市、大月市、北杜市、甲斐市、甲州市、小菅村、丹波山村)
長野県(川上村)

特徴

  • 甲武信ヶ岳、金峰山、雲取山などの日本百名山に挙げられる山々が連なる奥秩父主稜を中心に、荒川、多摩川、笛吹川(富士川)、千曲川(信濃川)源流部およびその周辺地域をエリアとしている。
  • この地域は、山岳や森に加えて御岳昇仙峡などの渓谷が、四季折々に彩りを変える日本的で素朴な美しい自然に恵まれており、首都圏近郊にありながら、連続性があり、生物多様性に富む、貴重な生態系が広く保全されれいる。
  • 古来人々を楽しませてきた民族芸能が保全・伝承され、山岳・神社信仰にまつわる多様な文化が、今もなお息づいている地域でもある。
  • 山肌を覆う深い森は、首都圏や周辺地域の水源域として古くから守られてきており、現在でも上流域と下流域の水の繋がりを意識して、森づくりや自然保護などに取り組む団体や事業者、地域住民も多い。

ゾーニング

総面積

190,603ヘクタール

核心地域(生物多様性を保存する地域)

甲武信ヶ岳
13,364ヘクタール。
主に秩父多摩甲斐国立公園<外部リンク>の特別保護地区と第一種特別地域を設定。

  • 西の瑞牆山から東の雲取山まで、奥秩父主稜の亜高山帯が連なる源流の地
  • 首都圏に近接しながら、生物多様性に富む、自然環境が保全される地域

(写真は甲武信ヶ岳。山梨市、秩父市、川上村にまたがる標高2,475メートルの山。笛吹川、千曲川、荒川の水源の地でもある。)

緩衝地域(核心地域のバッファー、学術的研究支援を行う地域)

西沢渓谷
70,858ヘクタール。
主に秩父多摩甲斐国立公園の第二種、第三種特別地域、普通地域を設定。

  • 地域資源を活用したエコツーリズムや環境学習の推進の場
  • 急峻な谷と山岳が生む渓谷美、景観

(写真は西沢渓谷<外部リンク>。秩父多摩甲斐国立公園内に位置し、国内屈指の渓谷美を誇る景勝地。「日本の滝百選」にも選ばれた名瀑・七ツ釜五段の滝を筆頭に、三重の滝、竜神の滝、恋糸の滝、貞泉の滝などさまざまな滝が織りなす渓谷美は圧巻。5月のシャクナゲや秋の紅葉の時期は、特に多くの観光客が訪れる。また、西沢渓谷は森林浴のリラックス効果が実証され、「森林セラピー基地」に認定されているほか、「平成の名水百選」「森林浴の森100選」「水源の森百選」などにも選定されている。)

移行地域(経済と社会の発展を行う地域)

棚式栽培によるブドウ畑
106,381ヘクタール。
主に秩父多摩甲斐国立公園区域外の住居区を設定。

  • 地域資源を生かした農作物や伝統工芸品の生産などの経済活動
  • 伝統文化の保全・継承

(写真は日本を誇る棚式栽培によるブドウ畑。山梨市牧丘町内にて撮影。江戸時代から考案された棚式栽培を改良し、平地から急斜面まで見渡す限り葡萄畑が広がる。この地域を含む風景や農産物、経済活動などは、「日本遺産~葡萄畑が織りなす風景~(山梨県峡東地域)」<外部リンク>「日本農業遺産」、「日本の里100選」にも認定されている。)

これまでの経緯

2016年(平成28年)5月:山梨県、埼玉県、長野県の関係者自治体で推進協議会を設立

2016年(平成28年)10月:推進協議会が日本ユネスコ国内委員会に申請書を提出

2017年(平成29年)3月:日本ユネスコ国内委員会がユネスコ本部への推薦を見送る

2017年(平成29年)10月:登録エリアに東京都を追加し、再度、日本ユネスコ国内委員会に申請書を提出

2018年(平成30年)3月:日本ユネスコ国内委員会MAB計画分科会において推薦を決定

2018年(平成30年)9月:日本ユネスコ国内委員会を通じて申請書をユネスコに提出・受理

2019年(令和元年)5月:人間と生物圏国際諮問委員会による勧告の公表

2019年(令和元年)6月19日:ユネスコMAB計画国際調整理事会において登録を決定

ユネスコエコパーク(生物圏保存地域)

ユネスコが1976年(昭和51年)に開始した、生物保存地域(Biosphere Reserves、国内呼祢:ユネスコエコパーク)は、ユネスコ自然科学セクターのユネスコ人間と生物圏(MAB:Man and the Biosphere)計画の枠組みに基づいて国際的に認定された地域をユネスコエコパークという。
世界自然遺産が顕著な普遍的価値を有する自然地域を保護・保全するのが目的であるのに対し、ユネスコエコパークは、生態系の保全を持続可能な利活用の調和を目的としており、保護・保全だけでなく、自然と人間社会の共生に重点が置かれている。
登録総数は122か国、686地域(2018年7月現在)。
今回登録された「甲武信ユネスコエコパーク」は国内10か所目となる。

ユネスコエコパークの機能

  1. 保存機能(生物多様性の保全)
  2. 経済と社会の発展
  3. 学術的研究支援

個々の機能は独立のものではなく、ユネスコエコパークの機能を相互に強化する関係。
この3つの機能を達成するためエコパークに中に相互依存する3つの(核心地域・緩衝地域・移行地域)区域を設定する。

核心地域

多くの動植物が育成し、厳格に保護し長期的に保全されている地域

緩衝地域

核心地域を保護するための緩和的な地域
教育や研修、エコツーリズム、森林セラピーなど自然の保全・持続可能な利活用への理解の増進、担い手の育成などが行われている

移行地域

人間が生活し、自然と調和した持続可能な発展を実現するモデルとなる地域

国内のユネスコエコパーク

1980年(昭和55年)登録:志賀高原(長野県、群馬県)、白山(富山県、石川県、福井県、岐阜県)、大台ヶ原・大峯山・大杉谷(奈良県、三重県)、屋久島・口永良部島(鹿児島県)

2012年(平成24年)登録:綾(宮崎県)

2014年(平成26年)登録:只見(福島県)、南アルプス(山梨県、長野県、静岡県)

2017年(平成29年)登録:祖母・傾・大崩(宮崎県、大分県)、みなかみ(群馬県、新潟県)

2019年(令和元年)登録:甲武信(山梨県、埼玉県、長野県、東京都)

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