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浄居寺は、嘉元3年(1305)夢窓国師が寺院として開いた初めてのものです。当初は現在地より北方の城古寺地区に寺がありましたが、天正年間(1573~1592)に内藤氏による浄古寺城築城のため当地に移り、元和年間(1615~1624)に陽山宗広が再興して曹洞宗から臨済宗に改宗しました。
本像は、浄居寺の本尊としてまつられ、院派の様式を学ぶ作例で、面貌は、面長でやや角張った輪郭に大振りな目鼻立ちを表し、鼻梁が太く、両目の見開きも大きく男性的な相貌で、厳しい表情をしています。体軀は横幅が広いものの、肩はあまり角張らず、通肩にまとった衣の表現は全体に穏やかです。
製作年代は15世紀半ばから後半頃と思われます。