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チョウセンマキは、イヌガヤの枝変わりから出来たわが国独特の園芸品種で、観賞用に栽培される常緑の低木です。古くは朝鮮のものと思われていたため、この名で呼ばれています。
イヌガヤの葉は2列にならんでつき、色もうすい緑色なのに対し、チョウセンマキの葉は枝にらせん状につき、色も黒っぽく、樹形も株立ちのようになっています。この樹種は大半にいわゆる「先祖返り」が見られ、チョウセンマキの枝からときどきイヌガヤとおなじ2列に並んだ葉をつけた枝がでます。チョウセンマキに花がついている例は観察されたことがないといわれていますが、本樹はイヌガヤに似た花をつけ、植物学上注目に値します。