○山梨市文化財保護条例
平成17年3月22日
条例第106号
目次
第1章 総則(第1条―第15条)
第2章 文化財審議会及び文化財指導委員(第16条・第17条)
第3章 補則(第18条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第182条第2項の規定に基づき、法及び山梨県文化財保護条例(昭和31年山梨県条例第29号。以下「県条例」という。)の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で、山梨市内に所在するものの保存及び活用を図り、もって市民の文化的向上に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、文化財とは、次に掲げるものをいう。
(1) 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他有形の文化的所産で郷土にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの及び考古資料並びにその他の学術上価値の高い歴史資料(「有形文化財」という。)
(2) 演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で、郷土にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの(「無形文化財」という。)
(3) 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能、民俗技術及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で、郷土にとって生活の推移の理解のため欠くことのできないもの(「民俗文化財」という。)
(4) 古墳、城跡、旧宅その他の遺跡で郷土にとって歴史上又は学術上価値の高いもの、庭園、橋りょう、峡谷、山岳その他の名勝地で郷土にとって芸術上又は観賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地等を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む。)で郷土にとって学術上価値の高いもの(「史跡・名勝・天然記念物」という。)
(5) 地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景観地で郷土の人々の生活又は生業の理解のため欠くことのできないもの(「文化的景観」という。)
(6) 周囲の環境と一体をなして歴史的風致を形成している伝統的な建造物群で価値の高いもの(「伝統的建造物群」という。)
(指定)
第3条 山梨市教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、前条の文化財(法及び県条例の規定により指定されたものを除く。以下同じ。)のうち市にとって重要なものを山梨市指定文化財(以下「市指定文化財」という。)に指定することができる。
2 市指定文化財のうち無形文化財を指定するに当たっては、当該無形文化財の保持者又は保持団体を認定しなければならない。
3 第1項の規定による指定をするには、教育委員会は、あらかじめ当該文化財の所有者、管理者又は権原に基づく占有者若しくは保持者、保持団体等(以下「所有者」という。)よりの申請に基づき、又はその同意を得るものとする。
4 第1項の規定により指定したときは、教育委員会は、その旨を公示し、かつその所有者に指定書を交付しなければならない。
(解除)
第4条 市指定文化財がその価値を失った場合、市内に所在しなくなった場合、その他の特殊事情があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。
2 前項の規定により指定を解除したときは、教育委員会は、その旨を公示し、かつその所有者に通知しなければならない。
3 前項の通知を受けたときは、所有者は、指定書を教育委員会に返納しなければならない。
(登録)
第5条 教育委員会は、市指定文化財以外であるもの(法及び県条例の規定により指定又は登録されたものを除く。)のうち、その文化財としての価値にかんがみ保存及び活用のための措置が特に必要とされるものを山梨市文化財登録原簿に登録することができる。
第5条の2 教育委員会は、前条の規定による登録をされた文化財(以下「市登録文化財」という。)について、市指定文化財に指定したとき、又は法及び県条例の規定により指定若しくは登録されたときは、当該市登録を抹消するものとする。
2 教育委員会は、市登録文化財について、その保存及び活用のための措置を講ずる必要がなくなった場合その他特殊の事由があるときは、その登録を抹消することができる。
(環境保全)
第6条 教育委員会は、市指定文化財の保存のため必要があると認めるときは、地域を定めて一定の行為を制限し、若しくは禁止することができる。
(標識等の設置)
第7条 教育委員会又は所有者は、市指定文化財の管理に必要な標識又は説明板、境界標その他を設置するものとする。
(調査)
第8条 教育委員会は、必要があると認めたときは、所有者に対し、当該市指定文化財の現状、保管、修理その他について調査報告を求めることができる。
(助言、勧告、指導)
第9条 教育委員会は、市指定文化財の保存又は活用等に関し、当該市指定文化財の所有者に対し必要な助言又は勧告を行い、能うる限りにおいて技術的指導に当たることができる。
(公開)
第10条 教育委員会は、市指定文化財の所有者に対し、当該市指定文化財の公開を勧告することができる。
(補助)
第11条 教育委員会は、市指定文化財の管理、修理、復旧、記録作成、伝承者の養成、公開、その他の保存及び活用に要する経費につき所有者の申請に基づき、その経費の一部に充てさせるため、予算の範囲内で補助金を交付することができる。
2 前項の補助金を交付する場合には教育委員会は、その補助の条件として必要な事項につき指示することができる。
3 教育委員会は、この条例の規定により補助金の交付をうけた所有者が条例に基づいて付した条件に違反したときは、補助金の全部又は一部の返還を命ずることができる。
(現状変更の承認)
第12条 市指定文化財(市指定無形文化財を除く。)の現状を変更しようとするときは、教育委員会の承認を受けなければならない。
(届出)
第13条 市指定文化財の所有者は、次に掲げる場合には、速やかに教育委員会に届け出なければならない。
(1) 市指定文化財が滅失し、又はき損したとき。
(2) 市指定文化財の所在の場所を変更したとき。
(3) 市指定文化財が盗み取られたとき。
(4) 市指定文化財所在の土地について異動があったとき。
(5) 市指定文化財の所有者の氏名(名称若しくは商号)又は住所(所在地)を変更したとき。
(6) 市指定文化財の保持者が障害を有することとなり、又は死亡したとき。
(所有者変更に伴う権利義務の承継等)
第14条 市指定文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、当該市指定文化財に関する教育委員会の勧告、指示その他の処分による旧所有者の権利義務を承継する。
2 市指定文化財の所有者が変更したときは、旧所有者は、市指定文化財の引渡しと同時にその指定書を新所有者に引き渡さなければならない。
(市民、所有者の心構)
第15条 市民は、教育委員会がこの条例の目的を達成するために行う措置に誠実に協力しなければならない。
2 文化財の所有者その他の関係者は、文化財の価値を自覚し、これを公共のために大切に保存するとともにできるだけこれを公開する等その文化財の活用に努めなければならない。
3 教育委員会は、文化財が市民の歴史、文化等の正しい理解のために欠くことのできないものであり、かつ、将来の文化の向上発展の基礎であることを認識し、その保護、活用が適当に行われるようにこの条例の趣旨の徹底に努めなければならない。
4 教育委員会は、この条例の執行に当たって、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と公益との調整に留意しなければならない。
第2章 文化財審議会及び文化財指導委員
(文化財審議会)
第16条 法第190条の規定により、教育委員会に文化財審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、委員5人以内で組織する。
3 委員は、学識経験を有する者のうちから教育委員会が委嘱する。
4 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 委員は、非常勤とする。
6 審議会に会長を置き、委員の互選により定める。
7 会長は、審議会の会務を総理し、会議の議長となる。
8 会長に事故があるときは、あらかじめ会長の定めた委員がその職務を代理する。
9 会議は、委員の過半数が出席しなければ開くことができない。
10 議事は、出席委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。
(文化財指導委員)
第17条 教育委員会に文化財指導委員を置く。
2 文化財指導委員は、文化財について、随時、巡視を行い、並びに所有者その他の関係者に対し、文化財の保護に関する指導及び助言をするとともに、地域住民に対し、文化財保護思想について普及活動を行うものとする。
3 文化財指導委員は、非常勤とする。
第3章 補則
(委任)
第18条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成17年3月22日から施行する。
附則(平成17年12月27日条例第269号)
この条例は、平成17年12月27日から施行する。