甲斐の道・秩父往還(美しい日本の歩きたくなる道500選)
武蔵の国と甲斐の国を結ぶ「秩父往還」は山梨の古道・甲斐九筋の一つです。日本三大峠の一つにあげられる難所「雁坂峠」を越えるこの道は、緑深い美しい道でもある。
現在は国道140号とほぼ一致します。古くは日本武尊から一千年を越す人々の足跡が辿れます。
秩父往還の起点は二説ありますが、一般には小原西(山梨市)から笛吹川左岸を北上し、甲州市塩山橋立の放光寺前から東へ向かい三富(山梨市)へ入ります。
一の橋を渡り笛吹川右岸へ出てこの上流が三富川浦(山梨市)となり雁坂峠へと続きます。峠を下ったところに大滝村(埼玉県秩父市)があり、そこから荒川の峡谷に沿って下り大宮(埼玉県さいたま市)まで達する道筋となっています。秩父道、雁坂路、甲州裏街道とも呼ばれ古代から甲斐と秩父を結ぶ第一の道でした。
古くは日本武尊説話が残る場所があり、大和朝廷の軍事的勢力征服の進路を示しています。また、武田信玄もこの雁坂口を重要拠点とし、山梨県側に川浦・栃本(埼玉県)に口留番所を設けた。
いつの時代にも秩父山地連峰の標高2082mの雁坂峠越えには苦労があり、荒れ果てた峠道となっていました。
この道は現在の国道140号とほぼ一致しており、平成10年4月23日雁坂トンネルの開通により現在では首都圏とを結ぶ動脈となっています。