平成22年3月山梨市議会定例会の開会に当たり、提出いたしました案件につきまして、その概要を申し上げますとともに、私の所信の一端を申し上げ、議員各位ならびに市民の皆様方のご理解とご協力をいただきたいと存じます。
今年も早3月に入り、市政運営の本年度の締めくくりと、明年度に向けての大事な時期となりました。
この大事な時期を目前にして、昨年12月28日、前中村照人市長が急逝されましたことは、全ての市民の大きな驚きでありました。このまさかの事態は、ご本人にとってもまさかのことであり、無念極まりないものと推察申し上げ、心からお悔やみ申し上げます。
私は、中村市長のご逝去に伴う先の市長選挙において当選を果たさせていただき、第2代山梨市市長として市政運営に当たることとなりました。その責任を重く受け止め、市政運営に精一杯努力して参りますので、ご理解ご協力をお願い申し上げます。
中村市長には、旧山梨市長在任中に市町村合併に尽くされ、合併により誕生した新山梨市の初代市長に就任され、新市の基盤固めに全力を傾注されて参ったことは特筆すべきであります。
新市発足後、早速策定された第一次山梨市総合計画は、新市の基盤固めの上に、今後の市政展開の基本的な道筋を示していただきました。
また、低迷を続ける経済情勢と厳しい財政環境の中で、的確な行政判断と卓越した行政手腕によって、積極的に新規施策に取り組まれたことは、未来への明るい展望に繋がるものと期待されます。
具体的な施策としては、市内に点在する歴史的名刹や自然景観を博物館と見立てる「山梨市フィールドミュージアム構想」、山梨市の未来を担う児童生徒を守る学校の耐震化や30人授業の「教育の充実」、二酸化炭素の削減、リサイクルなど新エネルギーを推進する「環境対策」、子ども医療費助成事業、父子家庭への福祉手当支給などの「医療福祉」、行政機能を集約した新庁舎、文化の拠点としての根津記念館の整備、さらに、野背坂線をはじめとする主要道路網を含む生活基盤整備などが挙げられます。
このような多大な功績を称えながら、市民の皆様とともに故中村市長のご冥福をお祈り申し上げます。
私は、志半ば、道半ばで中村市長が急逝される突然の事態で、進展中の市政がどうなるのか、市政を停滞させてはならない、というのが市民の声だと受け止め、私が、引き続き市政を推進する役目を果たそうと願い出たものであります。
今、この壇上に立ち、改めて、いよいよ身が引き締まる思いであります。
第一次山梨市総合計画では、市の将来像を「人・地域・自然が奏でる和みのまち山梨市」と表現しています。
私は、かねてから「思いやり」と「支えあい」をモットーとして議員活動に励んで参っており、これは、総合計画の「人・地域・自然が奏でる和みのまち」の趣旨と合致すると考えます。
総合計画の柱は、環境政策、健康と福祉、教育文化、産業振興、生活基盤整備の5本柱で、いずれも市民生活に密着で重要な柱であります。
行政には継続性が肝要であり、山梨市総合計画の推進に努めて参ります。
総合計画の推進に当たりましては、住民に最も身近な基礎的自治体として、住民と地域からの行政ニーズを的確に把握するように努めることが第一であります。
その上で、限られた財源を必要度の高い所から順に公正、公平に充当していかなければならないと考えます。
財政状況は、国、地方を通じて大変厳しいと認識しており、経済状況が回復するにしても、地方財政は大きく好転するとはとても思えません。
そういう状況であればこそ、堅実な財政運営、着実な市政運営が欠かせません。奇をてらうよりも、地道を優先したいと思います。
政治スタンスとしては、市政運営において、一党一派に偏らないことが肝要であり、私は、すでに所属政党を離党していることを明らかにしておきます。
以上、市政運営の基本姿勢などについて申し上げましたが、具体的な施策については、市長就任から今日までの時間的制約により、6月議会で述べさせていただきたいと思います。ご理解をお願い申し上げます。